Jul 30, 2013

tiny 10

夏。

何をしていても、何もしなくても
この暑さからは逃れられそうにもないので、
眼にてしばしの避暑を。
 

金魚の姿をした陶器製の浮き玉。

水に浮かべると、ぷかりぷかりと
風に身を任せる。
 
 
 
 


美しい模様が描かれた胴体と
トボけた表情のアンバランスさも
どこか力が抜けていて涼しげである。
 
 
毎年狭い睡蓮鉢で申し訳ないのですが、
夏空の下、水面を漂うその姿を
眺めつつビールをいただくと、
少しだけ暑さを忘れる事が出来るのです。
 
 
 

Jul 12, 2013

On the Road

ジャケ買い、ならぬ文字買い。

文字の線幅やカーブが少し変化するだけで
言葉のイメージを大きく変えてしまう
フォントデザインやタイポグラフィの世界は
奥が深くてとてもとても面白い。



『A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS』の作品は、
主宰するステファン・ケニー氏が収集してきた 
1800年代から1900年代のヴィンテージ・ウッドタイプを
それぞれ組合せて配置し、それを旧型のプレス機で
印刷したもので、ウッドタイプの雰囲気と選ばれた
葉たちのバランスがとても心地よい。


たまたま遭遇した個展で一番印象的だったのが、
ジャック・ケルアックの小説『On the Road』の一文。




それぞれのフォントと余白のバランス、
『☞』の絶妙な配置!)
ウッドタイプならではの不均一な質感が
アメリカ大陸を転々とする物語と共鳴して
いるような気がして、部屋で眺めていると
何処かへ誘う標識のようにも見える。



この一文の続きは

“There was nowhere to go but everywhere, 

so just keep on rolling under the stars.”


(Jack Kerouac, On the Road, 1957)



久しぶりに小説を引っ張り出して、
しばし大陸横断の旅に出かけたいと思います。