『A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS』の作品は、
主宰するステファン・ケニー氏が収集してきた
1800年代から1900年代のヴィンテージ・ウッドタイプを
それぞれ組合せて配置し、それを旧型のプレス機で
印刷したもので、ウッドタイプの雰囲気と選ばれた
言葉たちのバランスがとても心地よい。
たまたま遭遇した個展で一番印象的だったのが、
ジャック・ケルアックの小説『On the Road』の一文。
それぞれのフォントと余白のバランス、
(『☞』の絶妙な配置!)
ウッドタイプならではの不均一な質感が
アメリカ大陸を転々とする物語と共鳴して
いるような気がして、部屋で眺めていると
何処かへ誘う標識のようにも見える。
この一文の続きは
“There was nowhere to go but everywhere,
so just keep on rolling under the stars.”
(Jack Kerouac, On the Road, 1957)
久しぶりに小説を引っ張り出して、
しばし大陸横断の旅に出かけたいと思います。