Jul 12, 2013

On the Road

ジャケ買い、ならぬ文字買い。

文字の線幅やカーブが少し変化するだけで
言葉のイメージを大きく変えてしまう
フォントデザインやタイポグラフィの世界は
奥が深くてとてもとても面白い。



『A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS』の作品は、
主宰するステファン・ケニー氏が収集してきた 
1800年代から1900年代のヴィンテージ・ウッドタイプを
それぞれ組合せて配置し、それを旧型のプレス機で
印刷したもので、ウッドタイプの雰囲気と選ばれた
葉たちのバランスがとても心地よい。


たまたま遭遇した個展で一番印象的だったのが、
ジャック・ケルアックの小説『On the Road』の一文。




それぞれのフォントと余白のバランス、
『☞』の絶妙な配置!)
ウッドタイプならではの不均一な質感が
アメリカ大陸を転々とする物語と共鳴して
いるような気がして、部屋で眺めていると
何処かへ誘う標識のようにも見える。



この一文の続きは

“There was nowhere to go but everywhere, 

so just keep on rolling under the stars.”


(Jack Kerouac, On the Road, 1957)



久しぶりに小説を引っ張り出して、
しばし大陸横断の旅に出かけたいと思います。