Mar 1, 2014

PORTE DES LILAS


 
 
安野光雅さんの絵本

フランス映画「リラの門」の一場面が
モデルとして描かれている
どこかの国のある日の「蚤の市」


ガンベルトや風見鶏という珍しいものもあれば、
古書や大工道具などの生活道具、
日本の大福帳やだるまを扱っているお店もあり、
どれもこれも魅力的である。

陳列されている品々は実際の市で見る
形や種類のものばかりで、
安野さん自身あちこちの蚤の市や骨董市に
足繁く通ったに違いない



また描かれる人々の様子も愉快で、
店先で思案する人、店主と値段交渉をする人、
お酒を楽しむ人々、腹話術に夢中になる子ども、
それに混じって名画や物語の主役までもいて、
そちらを見るのにも忙しい。


登場人物に紛れて一つ一つのお店や人を
観察していたら、いつの間にか時間は過ぎ、
読み終わる頃には本物の蚤の市をぐるりと
ひと周りしたような達成感が味わえるのです。