Jul 29, 2018

New Items

バスク模様のシリーズ、今回はHippolyte Boulenger-Creil-Montereau(イポリット・ブーランジェ=クレイユ=モントロー)のままごと皿3点をachikochiz shopにアップしました。

小さなサイズの中に広がる世界が魅力です。(通常の平皿と比べた画像もご参照下さい。)

詳細はこちらからどうぞ。







Jul 8, 2018

Setting Free The Bears

好きな映画を順番に挙げていくと『ホテル・ニューハンプシャー』はかなり早い段階で登場する作品だ。
誰かのサクセスストーリーや感動的な実話ではないし、VFXを駆使したスペクタクル系のものでも無い。ファンタジーもブラックもごちゃ混ぜで、中には眉をしかめる場面もあるというのに時々強烈に観たくなってしまう。きっとあの独特な世界観の中で語られるある台詞が聞きたくて何度も観ているのだと思う、その場面はとても短いけれど毎回残像が頭を離れない、個人的にとても大切に思っている映画だ。
ホテル・ニューハンプシャーを取り巻く人々はどれも個性的な面々であるが、中でも熊はキーパーソン(キーアニマル?)だ。原作者であるジョン・アーヴィング作品の中でも熊は常連で、デビュー作『熊を放つ』に至ってはそのタイトルに堂々と登場しているほど。

日頃身近な熊といえば、北海道土産の定番である木彫りの置物にはじまり、パディントン、 プーさん、くまモン、ダッフィー 等など、意識しなくとも目にする機会はとても多い。それだけキャラクターとして愛されているにも関わらず、ある日森の中で実際に出会ってしまったら親しみよりも恐怖を感じてしまうに違いないなんて、人間と熊の関係もなかなか複雑だ。

さて、我が家に熊の新入りが登場した。もちろん親しみのある方の熊でイヌイットの石彫のもの。以前手に入れたものはどちらかというとデフォルメされたキャラクターっぽい風貌のものだったが、今回は小ぶりながらもリアルな後ろ姿に一目惚れした。


ラフな仕上げにも関わらず、石という素材感を超えて今にも動き出しそうだ。

後脚の裏側には作者名と思われるサイン"LUKE"が彫られている。年代はいつ頃のものかは分からないけれど、そんなに古いものでは無いような気がする。


そうこうしているうちにまた新たな熊に出会う、今度はシロクマで恐らく樹脂製のもの。オブジェというよりミニチュアトイの類いなのだろうけど、その朴訥とした表情に思わず連れて帰ってきてしまった。




シロクマといえばフランソワ・ポンポンが思い出されるが、こちらのシロクマも樹脂ならではのクリームがかった白がなかなかリアルで、夏の暑い日が似合いそう。

ジギーとグラフが放ったのは確かメガネグマだった。もし森の中でばったり出会うのがそのメガネグマ達だったら、怖がらなくても良いかもしれない。

May 7, 2018

Oni to Kami


フリーダとディエゴのコレクションを見てメキシコにも2本の角を持つ鬼に似たDiablo(悪魔)やJudas(ユダ)なるものが存在することを知った。このユダ(裏切り者)と悪魔はセマナ・サンタ(イースター)祭では巨大な張り子(パペルマチェ)で作られ、祭りの最終日に燃やされるらしい。(映画の「フリーダ」にも角のある人間ほどの大きな張り子を抱えてるシーンがあったが、あれがユダか悪魔のどちらかだったのだろう。)面白いのはこれらの張り子は燃やされるばかりではなくフォークアートとして評価される一面も持ち合わせている事で、そういった意味でも日本の鬼と共通する部分が多い。

日本で鬼というと赤鬼や青鬼を思い浮かべるが、我が家にはそんなイメージとは少々異なる鬼がいる。


黒々と広がる羽のように目の周りを覆う眉毛、大きな鼻と口と牙、更には角張った大きな顎には隈取りのように赤と黒の線が描かれ、その顔つきは威圧的で迫力満点だ。が、頭部に目を向けてみるとそこには赤と黒のポップなドット柄が配されていて、怖がるべきか微笑むべきかなんとも不思議な気分になる。


インパクトのある表情を頼りに正体を調べてみると、これは備中神楽で使用される建御名方神(たけみなかたのかみ)の面であり、建御名方神とは古事記の「国譲り」神話に登場する大国主神の子の一人である。
ちなみにその父親の大国主神というのは因幡の白兎に出てくる「だいこくさま」の事で、かの出雲大社の祭神でもある。ところが調べてみるとこの呼び名については複雑な部分があるらしく、出雲大社のH.P.にも大国主神は”だいこくさま”とも呼ばれる神ではあるが仏教からきた”大黒天”とは「正確には別の神様」だとわざわざ説明されている。確かに神道と仏道は異なるものなので正確に同じ神様とはならないのだろうけど、実際には神仏習合して大国主神と大黒天が同一視される事も多いようだ。
更には同じ国譲りに登場する事代主神(ことしろぬしのかみ)も大国主神の子であり、神話の中で漁に出ていた事から釣り竿と鯛を持つ漁業の神”えびすさま”と同一視される事も多いらしい。よって、だいこく様を大国主神、えびす様を事代主神として祀っている神社も実際に存在している。(えびす様を少彦名命とすることもあるらしい)
ここである何かに気づいてしまった。そうなのだ、事代主神=えびす様、大国主神=だいこく様と考えると「コンビ」だと信じて疑わなかった大黒天と恵比寿天は「親子」だという事になる・・・。



衝撃の結果はさておき建御名方神の面を詳しく見てみると、どのアングルから見ても確かに迫力満点なのだが同時にその表情にはどこかしら愛嬌がある。備中神楽で使用される他の面も表情は様々だが、こんなにも派手なのは建御名方神だけのようだ。なぜ一人だけこんなにも派手なのか、なぜ縞と水玉なのか(水玉のない建御名方神面もある)、知れば知るほどに次から次へと疑問が湧いてくる。そして中でも最大の疑問は、どうして建御名方「神」なのに鬼の面なのかという事。
秋田のなまはげのように来訪「神」でありながら「鬼」の容姿であったり(これにも諸説あるようだ)、風神雷神など「神」と「鬼」が密接に関わっている事は意外と多い。だがこれらにも様々な見解があるようで簡単には知りたい答えに辿り着きそうにもない。来年の事でも鬼に笑われてしまうけど、いつかこれらの課題に自分なりの解釈を見つけたいと思う。


Mar 19, 2018

Diego, Frida and Mexico

フリーダ・カーロといえば次に思い浮かぶのはディエゴ・リベラだ。我が家には彼らの作品集では無く、彼らの「蒐集品」の図版がある。『La colección de arte popular del Museo Estudio Diego Rivera y Frida Kahlo』


Books & Thingsで購入した当初は出版元が美術館と聞いて、てっきりフリーダのブルーハウス(Museo Frida Kahlo)の事だと思い込んでいた。
が、後でじっくり表紙を見てみるとブルーハウスではなくサンアンヘルにあるMuseo Casa Estudio Diego Rivera y Frida Kahloだった、初耳だ。早速調べてみると、その名の通りフリーダ・カーロとディエゴ・リベラのアトリエ兼自宅だった所で1932年に完成している。設計はメキシコ国立自治大学の中央図書館のあの巨大な壁画を担当したファン・オゴルマンで、1905年生まれのオゴルマンにとっては27歳前後で手掛けた作品であり、中央図書館の完成が1954年頃なのを考えると2人はとても早い段階で彼の才能を見出していた事になる。


残念ながらこの図録に建物の外観は掲載されていないが、ネット上でユニークな3棟の建物(フリーダ、ディエゴ、そしてファン自身のもの)を探すのは容易で、それぞれの異なるデザインには思わず目を奪われる。フリーダのアトリエ(ここも外壁は青色だ)とディエゴのアトリエ(外壁は赤と白のツートンで屋上はギザギザになっている!)は互いが行き来できるように屋上で繋がっているらしく、映画「フリーダ」でも実際にこの建物が撮影に使用されているそうだ。サルマ・ハエックのフリーダ役がとてもハマリ役だったのは強烈に覚えているのだけれど・・・ああ、もう一度観なければ。

現在この美術館にはフリーダとディエゴの蒐集品が展示されていて、その中から厳選されたものがこの図版に掲載されている。生命の樹、ガイコツ人形、陶器や土人形等どれも素晴らしく、掲載されているものの多くがメキシコのフォークアートだ。巻末にはそれぞれの作者(ほとんどが不明)やサイズ、材質も細かく掲載されていて資料としてもとても見応えがある。また蒐集品と関連した絵画作品も並んで掲載されている点も面白いのだが、何故か全てディエゴの作品でフリーダの作品は掲載されていない。




確かフリーダが生まれ、死を迎えたのはブルーハウスであり、石内都さんが遺品の撮影で訪れていたのもブルーハウスだ。アトリエに立つディエゴの笑顔が掲載されている事を考えても、この図版に掲載されているものはディエゴにちなんだものが中心と考える方が自然ということだろうか。ただフリーダのブルーハウスにも同じくメキシコのフォークアートが多数展示されているのは有名でその様子を見ても、2人のモノを選ぶ時の好みや感覚が非常に近く、同時に2人がメキシコをとても愛していた事は十分に感じ取れる。





アトリエにて蒐集品と自作"Retrato de Jose Antonio del Pozo"の前で笑顔のディエゴ。好きなものに囲まれて、いい顔してる。

Feb 12, 2018

It's a small world

我が家には昔からカブラの形をした小皿がある。要はカブラの白い根の部分が容れ物で葉の部分が持ち手になっている、よく見かけるタイプのものだ。その役割は主に生姜や大蒜のみじん切りを入れたり味見したりと、どちらかというと食卓よりも台所で見かけることが多い。他の小皿でも全く支障は無いのに、棚の奥にあってもわざわざ取り出すのは、カブラの小皿を使うと料理が美味しくなる気がするからかもしれない。

カブラに限らず果物や野菜の形をしたものには不思議な魅力がある。メキシコからやってきたバナナの貯金箱もその一つで、視界に入ると思わず口元が緩んでしまう。
メキシコで果物や野菜といえばペーパーマッシュ(インドやメキシコで作られる張子のようなもの)が連想されるけれど、これは陶製のもの。しかも根元が輪になっているので何処かに引っ掛けたり吊るしたりできる仕様になっているが・・・今のところその使途は不明。それにしても肝心のお金を入れる部分はかなりラフで、刃物跡もくっきりと見て取れるほどだ。

さてバナナの次はみかんの貯金箱、これは日本のもの。
表面のブツブツや(油胞というらしい)葉の具合など丁寧に作られていて日本らしい真面目さが漂う。


その他に桃とトマトとりんごも。これらはどれも貯金箱では無く、プラスチックが主流になる以前の陶製の玩具。色付けのグラデーションも美しくリアルさも増しているので、みかんの貯金箱とは年代や種類が異なるものと思われる。

日本とメキシコ、それぞれに作られた果物モチーフの貯金箱を見ていると、
言葉や気候が異なっていても人が思いつくのは同じような事であると教えてくれる。物を集める中で時々こうやってトランプゲームのように国境や時代を越えた共通項を見つけるのはとても楽しく、またしても口元が緩む。サイズ感も同じなので並べてみても違和感は全く無い。


メキシコといえばフリーダ・カーロが最初に思い浮かぶが、そういえばフリーダの作品には果物が頻繁に登場するし、彼女の最後の作品はスイカの絵だ。
スイカの貯金箱だとなかなか貯まりそうに無いので、出会える確率は低いかもしれない。

Feb 3, 2018

New Items

achikochiz shop にリトグラフとリノリウムカットを3点アップしました。
詳しくはこちらからどうぞ。
偶然にもどちらもドイツ出身のアーティストのものです。

まずは大胆な構図が印象的なドイツの Karl-Heinz Langowski のもの。
作品名は"Moderne Komposition" (モダン コンポジション)


同じ Karl-Heinz Langowski のもので、こちらはリノリウムカットの作品。
作品名は"Vorstadt"(ドイツ語で「郊外」等の意味)

リノリウムカットとは木材ではなくリノリウムを版材にしたもので、材質が柔らかいので彫り易く色が鮮やかに出る反面、エッジが立ちにくいという特徴があるそう。



最後の1枚はドイツの Rita Theis のもの。
作品名は"Auf korsika"(ドイツ語で「コルシカ島にて」という意味)

コルシカ島を検索してみると海岸に険しい岩々が並ぶ様子が現れ、百聞は一見に如かず、この作品の見方が一挙に変わります。

Jan 2, 2018

Happy New Year 2018

笑福萬来

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

(勅使河原敬 犬張子 1965)