浜田庄司、芹沢銈介、外村吉之介の3氏が
週刊朝日誌上において、手持ちの海外民芸品
(時には感心した柳宗理など友人の収集品も)を
それぞれが選び、解説した104点を一冊に
まとめたものである。
選ばれた民芸品の素晴らしさは勿論、その解説文から
3氏それぞれの価値観や物に対する愛情、
人柄も感じ取れる気がして、ページをめくっては
感嘆したり、共感したりと毎回見る度いそがしい。
たとえば芹沢銈介が選んだイランのソックス
この解説の一文には
「試しにはいてみると足先がすっぽり模様に
つつまれるたのしさ、
その感触と暖かさは、ただ材質からだけでの
ものでない格別なものがある。」
というあたたかい言葉が添えられている。
104点の様々な国の様々なもの、
迫力ある写真を見ながらそれぞれの国に
思いを馳せるだけでもとても楽しい。
また芹沢銈介の装幀も素晴らしく、
表紙を外した姿も美しいのが
ものに対する著者たちの
姿勢のようにも思える。
繰り返し読んでいるあとがき
「物を見ること持つこと」
自分にとっては地図のような存在。
なので、この「世界の民芸」は
いつでも手に取れる場所にある
無くてはならない本なのです。