Nov 26, 2019

See you again!

アチコチズストア vol.5 無事に終了致しました。
多くのお客様にご来店いただき、とても賑やかで楽しい2日間でした。
ご来店いただいた皆様、ご協力いただいた皆様、応援してくださった皆様、誠にありがとうございました。

2020年のvol.6も11月に開催予定です。
次回に向け更に面白くて素敵なものを集めて参ります。
また来年お会いしましょう!!

*今回ポップアップストアで販売したものの一部は今後オンラインショップに順次アップする予定です。
こちらも是非ともチェックしてみてください。








Nov 7, 2019

アチコチズストア vol.5

今年で5回目となる出張ブロカント『アチコチズストア』いよいよ今週末の開催です。
この1年間集めたものを中心に、着るもの、見るもの、飾るものなどなどたくさんの面白いものを用意しました。

お時間がございましたら、是非とも遊びにいらしてください。
秋空広がる神戸の街でで皆様のご来店を心よりお待ちしております。


ー出張ブロカント『アチコチズストア』ー
会期:2019年119日(土)1110日(日)
会場:まめ書房ギャラリー
住所:神戸市東灘区岡本1-12-26 マンション藤105
    (阪急岡本駅 徒歩3分・JR摂津本山駅 徒歩5分)
時間:11時から19
*お支払いは基本的には現金のみとさせていただきます。











Oct 22, 2019

Spartacus


iPodを検索してみると「Love Theme from Spartacus」という曲が5曲も入っていた。
正確にはその内2曲はBill Evansの「Spartacus Love Theme」なのだが、どれも1960年のアメリカ映画「スパルタカス」のテーマ曲で、オリジナルは入っておらず、アーティストも違う。
これらの曲はそれを目的にダウンロードしたものではなく、集めたアルバムにたまたま収録されていたものなので、繰り返して聴いているうちに前にも似たのを聴いたようなというデジャヴが起こり、そこでようやくバージョン違いが5曲も入っている事に気付いたのだった。
映画本編を観たのもつい最近の事で、テーマ曲だけ何度も聴いた後に観るのはなんだか申し訳ない気分だったが、その作品は今では考えられない膨大な数のエキストラが登場する壮大な歴史スペクタクルで、主演のカーク・ダグラスがマイケル・ダグラスの父上だったり、監督が若き日のスタンリー・キューブリックだったりと、驚きと圧巻の197分間だった。

ここにくらわんか皿がある。
関西に住んでいると「くらわんか」はたまに耳にする単語だが、その正体について深く考えたことは無く、大阪を「なにわ」と呼ぶように、枚方地域についての呼称という程度の認識だった。それが「くらわんか碗」の存在を知り、色々調べるうちに身近な単語や地名とどんどん結び付いて、一気に気になる存在となった。しかしいざ探すとなるとなかなか好みのものを見つけることができず、やっとこのくらわんか皿を見つけた時はとても嬉しかった。白磁の鈍い白の上に鳳凰と宝珠が赤と緑で描かれているが、強すぎずむしろすっきり見えるバランスがとても渋くて気に入っている。





くらわんか碗(皿)はくらわんか舟で使われていたうつわ(もしくはそれを模したもの)の事で、くらわんか舟とは江戸時代に大阪・京都間を流れる淀川を往来する三十石舟相手に食べ物や酒を売っていた商い舟のことだ。ちなみに正式名称は茶舟で、煮売舟とも呼ばれていたらしく、時代劇に度々登場する煮売屋(今で言うところの総菜屋)の舟バージョンだ。

淀川蒸気船は明治元年の誕生で、京阪鉄道が開通するのは更に先のことなので、当時京都と大阪を結ぶ三十石舟は最もポピュラーな交通手段だった。最盛期には1320便、およそ9000人が往来したそうで、下りは6時間、川の流れに逆らう上りは12時間かかり、曳舟といって乗組員が岸から綱で引っ張っていたというから驚きだ。(料金も上りは下の倍以上したそうだ)
枚方は大阪と京都のほぼ中間地点であり、当時主要な中継港(枚方宿)で、くらわんか舟は停泊する三十石舟に横付けして商売をしていたらしい。そのかけ声は寝ている客までも起こす大声だったそうで「飯くらわんかい、酒のまんかい」(飯を食べないのか?酒は飲まないのか?の意)という乱暴な方言が名物となって「くらわんか舟」と呼ばれるようになり、あの東海道中膝栗毛や歌川広重の作品にも登場する。

三十石舟といえば落語も忘れてはいけない。庶民が京から大阪に下る道中の噺なのだが、現代も通じる大阪人から見た京都人の描写があったり、伏見人形が登場したりと何度聞いても面白い。演目が「三十石夢の通路」(または三十石)というように、今では1時間足らずの道中も当時は色んな出来事が繰り広げられたのだろう。そう思うと見慣れた淀川も随分違って見えるのだから、これもくらわんかのお陰だ。



Sep 27, 2019

出張ブロカント『アチコチズストア』2019


今年も出張ブロカント『アチコチズストア』を神戸・岡本の「まめ書房」にて開催致します!
5回目となる今回は119日(土)& 10日(日)の2日間の開店です。



今回はウエア類(ミリタリー、ワークウエア、ヴィンテージ等)の品揃えが更に増え、メンズ・レディースどちらも楽しんでいただける内容となっております。他にも朝鮮半島の古い木偶や張子達磨の木型、動物モチーフのキーホルダー、お馴染みのバスクシリーズやイヌイットの石彫、古い土人形などなど様々なものを集める事ができました。

今回販売するアイテムについては"A" paris_saisai "C"  4000000mt のインスタグラムでも紹介する予定です、是非ともチェックしてみてください。
秋も深まる11月、神戸にて皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。


ー出張ブロカント『アチコチズストア』ー
会期:2019119日(土)ー1110日(日)
会場:まめ書房 ギャラリー内
住所:神戸市東灘区岡本1-12-26 マンション藤105
    (阪急岡本駅 徒歩3分・JR摂津本山駅 徒歩5分)
時間:11時から19
*お支払いは基本的には現金のみとさせていただきます。


Sep 8, 2019

Sweet November


手帳を持ち歩ける人になりたいと思う度に新しいのを購入する。ところがかばんを変えるタイミングでいつの間にか持ち物リストから外れてしまい、最初の方だけ気合の入った手帳が取り残される。思い立った時の決意とは裏腹に現実は程遠く、結局はスマートフォンと卓上カレンダー頼みの日々だ。
卓上カレンダーはいつも桂樹舎の芹沢銈介か小田中耕一の日本の手仕事カレンダーで、どちらかの型染めデザインを(時にはどちらも)飾るのが長年我が家のリビングの景色になっている。毎年、毎月趣向が凝らされた図柄は勿体無くて予定を書き入れる役割は担えないけれど、視界に入った時のなんとも豊かな気持ちと毎月末の入れ替え作業の楽しみには代え難い。

芹沢銈介は1984年に亡くなっているので現在販売されているカレンダーは復刻版だが、1945年から1984年まで製作されていたオリジナル版は運が良ければ骨董市や古書店で見つける事ができる。今回は表紙のデザインに惹かれた1975年版に出会えたので連れて帰ってきた。


だるまを見つけるとついつい手が伸びてしまう。

タトウを広げる瞬間が楽しい

誰かの生まれ年を探すも良し、今回のように表紙買いするも良い。12枚の中で気に入りの図案を見つける作業も楽しみの一つだ。しかもオリジナルはサイズも大判で37cmx28cと迫力もあり、和紙ならではの型染めの臨場感も真近に楽しめる。
今回特に気に入ってるのはこの4枚。

たけのこが中央に大胆に配されている5月。
成長の早いたけのこが水曜日と木曜日の間を割って伸びている。

いかにも6月らしい紫陽花の図柄、色数も抑えられていてしっとりとした印象。

中でも1番気に入っているのが10月のダミエ模様、OCTOBERの配置が良い。
モダンなデザインの下に咲く花はコスモス、ダリア、菊あたりだろうか。

柿と柘榴?が秋らしい配色で描かれているのは11月。
これも上下に分割された日付の配置がおもしろい。



11月といえば今年も119日(土)&10日(日)の2日間、神戸・岡本の「まめ書房」で出張ブロカント『アチコチズストア』を開催します。おかげ様で5回目となる今回、もちろんこのカレンダーも持っていく予定ですので、和紙に型染めされたこの凹凸感や手触りを実際に手に取って楽しんでもらえたらと思います。

『アチコチズストア』に関するお知らせは今後"A""C"のブログや paris_saisai 4000000mt のインスタグラムでも随時アップする予定です、是非ともチェックしてみてください。


Aug 11, 2019

Like a Old Stone


遠くに良さそうな石仏を見つけたので意気揚々と近付いてみたが、どうも石仏では無いらしい。更に距離を縮めるけれどその正体は謎のままで、手に取ってようやく土人形だと判明した、それぐらい石仏みたいな土人形だった、姿は大黒天だ。


大黒天、というと打ち出の小槌を片手に俵の上に乗っているのが一般的な気がするのだけれど、これはどうも違う。頭上に不思議な丸い物体があるし、足元もなんだか変だ。何度見ても大黒天の顔だけは判別できるが、それ以外は何が何だか分からない。

実はこれ右足を俵に乗せ、両手で俵を担いでいる俵担ぎの大黒天なのだ。
これだけ彩色も剥がれ落ちているのにどうして正体が分かったかと言うと、実はこの少し前に別の俵担ぎを偶然手に入れていたからで、そうなると2体を並べない訳にはいかない。

ということで石仏似を持ち帰り、早速先に手に入れていた大黒天と並べてみた。


すると予想以上に大きさも似通っていて、その分違いが際立ってとても面白い。
石仏と間違えた方は左脇の下部分にかろうじて赤い色が確認できるぐらいで、その他の部分はすっかり色が剥がれている(この赤く彩色された部分は何なのか・・・腰紐?脱いだ上衣?なのだろうか・・・)。
そもそも石仏と見間違ったのは真正面からしか見ていなかった事が原因で、全体を矯めつ眇めつ見てみると土人形ならではの前後の接合部分もあるし、底の部分にも作者?所有者?らしき名前のようなものが書かれている。
それにしても土人形と分かっていてもこの剥がれ具合といい表面感といい、見事な石仏似だ。




一方彩色の残っている方は何ともコミカルな表情だ、俵を担いで重労働なはずなのになんとも余裕のある朗らかな表情。土人形と言っても様々な種類があって、同じモチーフでもとても緻密に絵付けされているのもあれば、この大黒天のようにかなりゆるい雰囲気のものもある。産地や作者それぞれに味わいがあり、それこそが土人形の醍醐味で、よってこうやってどんどん増えてしまうわけです。


2体を見比べているとどちらも本当に魅力的で甲乙付け難い。というより甲乙なんて付けなくて良いのだ、だってボブ・ディランが歌っても、ローリング・ストーンズが歌っても名曲は名曲なのだから。


Jun 23, 2019

Memory game


久しぶりに旅に出ていた。
時差ボケが無い(というか感じない)体質なのはこういう時にとても便利で、今回も日が昇れば目が覚めて、暗くなれば眠る日々だった(機中は夜と捉えている)。
この体質についてはいつでも何処でも眠れるのが最大のポイントだと考えていて、普段から電車でも昼休みでも15分ぐらいのフリータイムがあれば眠ってしまう。眠りのスイッチはいつでも側にあってそれを押せば直ぐに眠りの世界に入り込める。もしシエスタのある国に行ったらその習慣にだけは直ぐに馴染める自信がある。

なのでメキシコからやってきたこのトラケパケの小皿を見ると思わず口元が緩んでしまった、そこに昼寝仲間を見つけたからだ。

ソンブレロを被って昼寝をする男性の絵柄はメキシコのお土産物などでよく見るが、大体が仰向けで足を組んでいたり、体育座り(三角座り)の体勢が多く、うつ伏せ寝のタイプは珍しいような気が・・・。きっとよっぽど眠かったに違いない。

こちらも定番、ラバの絵柄。黒目がちな造作がそう感じさせるのか、少し寂しげでお疲れの様子だ。ベースの黒色がより一層物哀しさを強調してるような・・・。

最後はあぐらをかいて座る休憩中?の男性の後ろ姿、側に生えているサボテンの色がカラフルだ。ソンブレロと同じくメキシコと言えばのポンチョを着用している。3枚どれにも共通して言える事だが荷物を運搬するだとかのいわゆる労働的なシチュエーションでは無く、休憩中やシエスタ中であったりするおおらかさがメキシコらしいと感心してしまった。まあ他の国に目を向けてみると、呑んべえが描かれた絵皿もあるのだからシエスタ中なんて可愛いものかもしれない。

トラケパケはお隣のトナラと共に民芸品の生産が盛んな地域で、この絵皿もおそらく土産物用で現代のものというより少し古いものだろう(裏面には緩い筆致でmexicoとだけ刻印されている)。それにしても日本の焼き物ではあまり見られない色と組み合わせは、当然ながらおにぎりやお醤油よりもタコスやチリソースが似合うように出来ている。日本のものなら、おかきだとかの乾き物を載せても相性が良さそうだ。

トラケパケについて調べていたら今回の旅で見かけたのと同じ色とりどりの傘を飾り付けた風景を見つけた(毎年期間限定で傘や浮き輪を飾っているらしい)。単なる偶然なのだけれど思わぬところで同じ絵柄のカードを引いたような気分になって、またしても口元が緩んでしまった。




Mar 8, 2019

5 happy men


目が合った瞬間に「桔梗屋だ」と思った。そう、一休さんに登場するあの意地悪な桔梗屋である。今年最初に訪れた骨董市で、恭しく頭を下げている割に不敵な笑みを浮かべ、ガラスケースの上に鎮座していた彼を見つけた時、その名前が頭に浮かんだ。見覚えのあるシルエットと福の紋で福助だとは分かるのだが、これまで見てきた福助とは少々異なる。年代や詳しいことは不明なこの福助氏、表情とは裏腹に哀愁漂う後ろ姿が特に気に入っている。



随分前、最初の福助を求めた時に「昔の福助ほど可愛くない、近年になるほど可愛らしくなる」と教わって以来少しずつ集めているけれど、集めれば集めるほど表情に大きな差があることに気づく。




記念すべき最初の福助がこちらの方。多くの人に撫でられたのか、すっかり頭部は剥がれていて決して状態の良いものではないけれど、穏やかな表情とすすけた顔にシンパシーを感じて連れて帰ってきた、明治のもの。


おちょぼ口で全体的に可愛らしくなっている彼は昭和のもの。目元には赤いラインが入っているおかげでおじさんというよりおばさん風。我が家にいる福助の中で福紋がどこにも入っていないのは今のところ彼だけだ。


こちらも昭和のもの、更に表情はデフォルメされ目はよりパッチリと福耳も最大級になっている。光沢もあり血色の良さそうな彼は貯金箱になっているもので、昭和でも30年代ぐらいの最近のもの。



この方も最近のものと思われる拝み福助。後ろから見るともはや丸っこい物体の何かにしか見えないのが面白い。正面できちんと揃えた両手がキュートだ。



こうやって一堂に会すると「桔梗屋」が一番小さいくせにやたら堂々としていて、しかも彼だけ裃が赤色で特別感がある。こうなると桔梗屋というよりご老中のと呼ぶ方が相応しい気が・・・。

福助といえばビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に登場している姿も堂々としたものだ(確か彼の前には白雪姫の人形がいる)。有名な人々に囲まれながら恭しく頭を下げている福助氏ではあるが、その彼も実は不敵な笑みを浮かべている事を見逃してはならない。