Mar 27, 2016

Newcomer

春は新参者の季節でもある。

この冬の時点で我が家に集まっていた大黒天はこの5名。



集まっては出て行き、またどこかで見つけては集まりを繰り返している。
米俵に乗り手には打ち出の小槌、福袋といったお馴染みのアイテムであるが、
材質も表情もどれも少しずつ異なるところが魅力。
今集まっている中では最前列右のしもぶくれ気味の大黒天が少々ひねくれもので、
足元がおぼつかず少しの振動でも「ごろり」と横たわってしまう。
それは何かの拍子であったり、本人の気まぐれだったりするのだが、周りが
静まった時に限って絶妙のタイミングで「ごろり」と鈍い音が響くのがまた憎い。
おかげで帰宅するといつもその無事を気にしないといけないのだが、本人は少しも
悪びれる様子もなく、踏ん張っている日もあればすっかり横になっている日もある。

と、そこに新参者のえべっさん(恵比寿)が登場。

黒々としていて大きく新参者ながら堂々としており、並べてみると
すでに古参の風格すら感じられる・・・。

 

新参者の登場を彼らが歓迎しているかどうかは全く読み取れませんが、
新加入の日から今日までのところ「ごろり」は見られていないので、
それを歓迎の意と勝手に解釈しています。


後ろ姿の眺めの良さよ。

Mar 6, 2016

Weisbecker & Carpentry Tools

移転した竹中大工道具館にやっと訪問することができた。
展示内容などはここでは割愛するが、
「木の香りの中で、ずらりと並ぶ美しい道具類と大工の技を愛でる」
これに反応した方には是非とも訪問をお勧めしたい。
(見る以外にもボランティアの方による詳しい解説や木工体験、
ライブラリーもあり、行かれる際には長めの時間配分を)

しかも訪問したおまけに、というか個人的にはかなり楽しみにしていた
ものが入館の際に配られる入場券。
フィリップ・ワイズベッカーのデザインの『鉋』。

逆パースと呼ばれる彼のデザインは上から横から斜めからと色々眺めて
視点を探すのが面白い。平面なのに奥行を感じる不思議。


ではその他のワイズベッカーもいくつかご紹介。
(作品集 ACCESSOIRES より)

(作品集 MARC'S CAMERA より)

これはフィリップ・ワイズベッカーがデットストックのノートに
1冊1テーマで描いた50冊以上のドローイングを再現したシリーズ。

「ACCESSOIRES」はワイズベッカーが好きな古いカタログの挿画を
切り抜いて描いたもの。時計や毛糸やベッドなどなど、元のカタログ(右頁)
と見比べるのも楽しい。ちなみにこの挿画を調べてみると電球のカタログと
思われるのだが、このドローイング(参考にした女性の挿画が右頁下にあり)
が何を意味しているかはさっぱり分からない・・・。

「MARC'S CAMERA」はタイトル通りマーク氏(ワイズベッカーの友人)
のカメラコレクションのドローイング。 RICOHを始め数々のカメラが
描かれている(羨ましい)。一見平坦なように見えるのにフィルムの
巻き上げツマミは今にも回せそうで、この不思議な感覚こそが彼の作品の
醍醐味だと思っている。


先の竹中大工道具館では鉋以外にも墨壺や鋸、 曲尺(「さしがね」表記)の作品が
移転オープンの際に描きおろされ、どれもとても魅力的である。
ワイズベッカーを片手に世界の大工道具を見て回る、これを思いついた人とは
仲良くなれそうな気がします。