展示内容などはここでは割愛するが、
「木の香りの中で、ずらりと並ぶ美しい道具類と大工の技を愛でる」
これに反応した方には是非とも訪問をお勧めしたい。
(見る以外にもボランティアの方による詳しい解説や木工体験、
ライブラリーもあり、行かれる際には長めの時間配分を)
しかも訪問したおまけに、というか個人的にはかなり楽しみにしていた
ものが入館の際に配られる入場券。
フィリップ・ワイズベッカーのデザインの『鉋』。
逆パースと呼ばれる彼のデザインは上から横から斜めからと色々眺めて
視点を探すのが面白い。平面なのに奥行を感じる不思議。
ではその他のワイズベッカーもいくつかご紹介。
(作品集 ACCESSOIRES より)
(作品集 MARC'S CAMERA より)
これはフィリップ・ワイズベッカーがデットストックのノートに
1冊1テーマで描いた50冊以上のドローイングを再現したシリーズ。
「ACCESSOIRES」はワイズベッカーが好きな古いカタログの挿画を
切り抜いて描いたもの。時計や毛糸やベッドなどなど、元のカタログ(右頁)
と見比べるのも楽しい。ちなみにこの挿画を調べてみると電球のカタログと
思われるのだが、このドローイング(参考にした女性の挿画が右頁下にあり)
が何を意味しているかはさっぱり分からない・・・。
「MARC'S CAMERA」はタイトル通りマーク氏(ワイズベッカーの友人)
のカメラコレクションのドローイング。 RICOHを始め数々のカメラが
描かれている(羨ましい)。一見平坦なように見えるのにフィルムの
巻き上げツマミは今にも回せそうで、この不思議な感覚こそが彼の作品の
醍醐味だと思っている。
先の竹中大工道具館では鉋以外にも墨壺や鋸、 曲尺(「さしがね」表記)の作品が
移転オープンの際に描きおろされ、どれもとても魅力的である。
ワイズベッカーを片手に世界の大工道具を見て回る、これを思いついた人とは
仲良くなれそうな気がします。