久しぶりに旅に出ていた。
時差ボケが無い(というか感じない)体質なのはこういう時にとても便利で、今回も日が昇れば目が覚めて、暗くなれば眠る日々だった(機中は夜と捉えている)。
この体質についてはいつでも何処でも眠れるのが最大のポイントだと考えていて、普段から電車でも昼休みでも15分ぐらいのフリータイムがあれば眠ってしまう。眠りのスイッチはいつでも側にあってそれを押せば直ぐに眠りの世界に入り込める。もしシエスタのある国に行ったらその習慣にだけは直ぐに馴染める自信がある。
なのでメキシコからやってきたこのトラケパケの小皿を見ると思わず口元が緩んでしまった、そこに昼寝仲間を見つけたからだ。
ソンブレロを被って昼寝をする男性の絵柄はメキシコのお土産物などでよく見るが、大体が仰向けで足を組んでいたり、体育座り(三角座り)の体勢が多く、うつ伏せ寝のタイプは珍しいような気が・・・。きっとよっぽど眠かったに違いない。
こちらも定番、ラバの絵柄。黒目がちな造作がそう感じさせるのか、少し寂しげでお疲れの様子だ。ベースの黒色がより一層物哀しさを強調してるような・・・。
最後はあぐらをかいて座る休憩中?の男性の後ろ姿、側に生えているサボテンの色がカラフルだ。ソンブレロと同じくメキシコと言えばのポンチョを着用している。3枚どれにも共通して言える事だが荷物を運搬するだとかのいわゆる労働的なシチュエーションでは無く、休憩中やシエスタ中であったりするおおらかさがメキシコらしいと感心してしまった。まあ他の国に目を向けてみると、呑んべえが描かれた絵皿もあるのだからシエスタ中なんて可愛いものかもしれない。
トラケパケはお隣のトナラと共に民芸品の生産が盛んな地域で、この絵皿もおそらく土産物用で現代のものというより少し古いものだろう(裏面には緩い筆致でmexicoとだけ刻印されている)。それにしても日本の焼き物ではあまり見られない色と組み合わせは、当然ながらおにぎりやお醤油よりもタコスやチリソースが似合うように出来ている。日本のものなら、おかきだとかの乾き物を載せても相性が良さそうだ。
トラケパケについて調べていたら今回の旅で見かけたのと同じ色とりどりの傘を飾り付けた風景を見つけた(毎年期間限定で傘や浮き輪を飾っているらしい)。単なる偶然なのだけれど思わぬところで同じ絵柄のカードを引いたような気分になって、またしても口元が緩んでしまった。