手帳を持ち歩ける人になりたいと思う度に新しいのを購入する。ところがかばんを変えるタイミングでいつの間にか持ち物リストから外れてしまい、最初の方だけ気合の入った手帳が取り残される。思い立った時の決意とは裏腹に現実は程遠く、結局はスマートフォンと卓上カレンダー頼みの日々だ。
卓上カレンダーはいつも桂樹舎の芹沢銈介か小田中耕一の日本の手仕事カレンダーで、どちらかの型染めデザインを(時にはどちらも)飾るのが長年我が家のリビングの景色になっている。毎年、毎月趣向が凝らされた図柄は勿体無くて予定を書き入れる役割は担えないけれど、視界に入った時のなんとも豊かな気持ちと毎月末の入れ替え作業の楽しみには代え難い。
芹沢銈介は1984年に亡くなっているので現在販売されているカレンダーは復刻版だが、1945年から1984年まで製作されていたオリジナル版は運が良ければ骨董市や古書店で見つける事ができる。今回は表紙のデザインに惹かれた1975年版に出会えたので連れて帰ってきた。
だるまを見つけるとついつい手が伸びてしまう。
タトウを広げる瞬間が楽しい
誰かの生まれ年を探すも良し、今回のように表紙買いするも良い。12枚の中で気に入りの図案を見つける作業も楽しみの一つだ。しかもオリジナルはサイズも大判で37cmx28cと迫力もあり、和紙ならではの型染めの臨場感も真近に楽しめる。
今回特に気に入ってるのはこの4枚。
たけのこが中央に大胆に配されている5月。
成長の早いたけのこが水曜日と木曜日の間を割って伸びている。
いかにも6月らしい紫陽花の図柄、色数も抑えられていてしっとりとした印象。
中でも1番気に入っているのが10月のダミエ模様、OCTOBERの配置が良い。
モダンなデザインの下に咲く花はコスモス、ダリア、菊あたりだろうか。
柿と柘榴?が秋らしい配色で描かれているのは11月。
これも上下に分割された日付の配置がおもしろい。
11月といえば今年も11月9日(土)&10日(日)の2日間、神戸・岡本の「まめ書房」で出張ブロカント『アチコチズストア』を開催します。おかげ様で5回目となる今回、もちろんこのカレンダーも持っていく予定ですので、和紙に型染めされたこの凹凸感や手触りを実際に手に取って楽しんでもらえたらと思います。