Jun 25, 2016

Bakelite

ビリヤード、ダイスゲーム、麻雀。
どれもプレイヤーには向いていないが、その音を聴くのは好きだ。

緑色の羅紗の上でボールやダイス、または牌がたてる音はコロンでもコトンでもなく、ゴロンやドスンという低くて深みのあるもので、もしそれらがベークライト製であるならば尚更である。

ベークライト(フェノール樹脂)は1907年にレオ・ヘンドリック・ベークランド氏が開発した最初の人工的なプラスチック素材で、現在主流となっているプラスチックはベークライトから派生、開発されたものと言える。
今でこそ大部分が新しいプラスチック素材に取って代わられてはいるが、シャネルのバングルに代表されるようにアクセサリーに使用されたり、ボタンやカメラ、黒電話など当時は様々なものがベークライト製であった。(ビリヤードのボールはかつて象牙で作られておりその入手に関する問題で象牙からセルロイド、ベークライトへと変遷し、現在は硬質プラスチック製が主流となっている。)
現在身の回りにあるプラスチック素材を思い浮かべると、ベークライトがいかに画期的な素材であったことがうかがえる。

またベークライトはプラスチックに比べ重いのも特徴の1つである。
アルミ鍋より琺瑯鍋、12.5オンスより14オンス、と重量(厚み)のあるものが好きなので、ここはやはりプラスチックよりもベークライトということになる。

前置きが長くなってしまったが、古いベークライトのダイスをここに。


1番大きい黄色のもので4.5㎤ &150gと程よい重さ。
このひんやりとした手触りと重みがたまらなく、訳もなく手に取ってしまう。
見た通り、目も数字も何も刻まれていないので厳密にはダイス風なのだが、どこをどう探しても持ち主に博才は無さそうなのでこれぐらいが丁度良いのでしょう。