その場面はありふれた日常のひとコマであることが多く、
湯気の立つコーヒーが乱暴に注がれ、皿やカトラリーが
騒がしく音を立てるようなイメージがある。
そんなダイナーに登場しそうな潔く白い皿。
訝りながら裏を覗くとそこには微かにmarimekkoの見慣れたロゴと
PFALTZGRAFF USAの刻印が確認できる。
ジャクリーンケネディがmarimekkoのワンピースを着用し
話題となったのが1960年。
それを機にアメリカでもmarimekkoの名が広く知られるようになり、
80年代にPFALTZGRAFF社と協業していた当時のものと思われる。
が、何かしらの理由or問題があり肝心のプリントは施されることなく
デットストックとなり、はるばる我が家にやってきた。
かつて「EMILIO PUCCIなのに真っ白なサファリコート」
というものを買うべきか思い悩んだことがある。
結局サイズが大きくて断念したが、こういった類の出会いには
めっぽう弱いのは今も変わらないらしい。
それにしてもこの手の白い皿には目玉焼きがとても似合う。
潰れた黄身のだらしなく残った跡やパンくずの散らかった様が
やたら似合うと思うのです。