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Nov 10, 2013
Monsieur Hulot
衣替えをする。
夏前に収納した上着をまたひっぱり出す。
少しの休みしかなかったけれど、
再びよろしくお願いしますと声をかけながら。
この
Johanna Gullichsen
の上着は、
かれこれ15年近く着ているけれど、
驚くほどに生地がへたれていない。
ソファの張り地や鞄にも使用されているので
当然といえば当然ではあるが、
決して優しくはなかった扱いを考えると
感心せずにはいられない。
こうやって吊り下げていると、
ジャック・
タチ演じるユロ叔父さんが
着ていそうに見えて楽しいので、
いつもこの掛け方になってしまう。
存在感があるだけに、
昔はこの上着に
合わせて服を選んでいたけど、
今はそんな事を考えなくてもなんとなく
サマになってきた(
ような気がする)ので、
なんだかそれが少し嬉しいのです。
Oct 14, 2013
104
1972年に発行された「世界の民芸」は
浜田庄司、芹沢銈介、外村吉之介の3氏が
週刊朝日誌上において、手持ちの海外民芸品
(時には感心した柳宗理など友人の収集品も)を
それぞれが選び、解説した104点を一冊に
まとめたものである。
選ばれた民芸品の素晴らしさは勿論、
その解説文から
3氏それぞれの価値観や物に対する愛情、
人柄も感じ取れる気がして、ページをめくっては
感嘆したり、
共感したりと毎回見る度いそがしい。
たとえば芹沢銈介が選んだイランのソックス
この解説の一文には
「試しにはいてみると足先がすっぽり模様に
つつまれるたのしさ、
その感触と暖かさは、ただ材質からだけでの
ものでない格別なものがある。」
というあたたかい言葉が添えられている。
104点の様々な国の様々なもの、
迫力ある写真を見ながらそれぞれの国に
思いを馳せるだけでもとても楽しい。
また芹沢銈介の装幀も素晴らしく、
表紙を外した姿も美しいのが
ものに対する著者たちの
姿勢のようにも思える。
繰り返し読んでいるあとがき
「物を見ること持つこと」
には大切な言葉や考えが沢山詰まっていて、
自分にとっては地図のような存在。
なので、この「世界の民芸」は
いつでも手に取れる場所にある
無くてはならない本なのです。
Sep 27, 2013
Tipei 03
台北の眺めはおもしろい。
ある通りには、懐かしいような見たことのあるような、
そんな賑やかな光景があり。
ある通りには新しいと古いがごっちゃになってて、
まるで映画で見たような風景がある。
街路樹は躍動感のある佇まいで、
今にも動き出しそうに見える。
そんな街の裏通りには、外の喧騒から切り取られたような
心地よい茶藝店がある。
そこでは美しい皿や茶葉入れに出会い、
郊外の陶器街では鮮やかな茶器にも出会えた。
いろんな表情を持つのは街も器も同じ。
台北の眺めはおもしろい。
Sep 7, 2013
Taipei 02
台北に行ったら
スタンドカラー
がまた増えてしまった。
台湾通の友人に
鄭惠中さんのアトリエを教えて
もらっていたので、それは当然の結果とも言える。
狭い路地に面した
鄭惠中さんの
アトリエは
間口に比べて奥行のある
、京町屋のような建物。
案内された2階と3階は、
書庫のように棚
が並び、
そこにサイズごとに分けられた服が、所狭しと
置かれている。
最初はその物量に圧倒されたが、
次にそれらが
全て違う色であるこ
とに気付いて一層驚く。
まるでグラデーション見本のような色の種類、
更に
サイズも加わる
と選択肢はかなり拡がってしまうが、
その中から好みのものを探し
出す作業がこれまた楽しい。
広げて、着て、眺めて、
また広げてを繰り返し、
今回は2
枚のシャ
ツと布を持って帰ってきた。
その着心地は軽くてとても肌触りが良い。
ゆとりのあるシルエット
も風が通り易く、
湿度の高いこの土地の気候に適している。
また素材が柔らかいので
羽織るにも、
重ねるにもおさまりが良いので、とにかく
着ていて心地が良い。
持ち帰った2着が既に手放せないものと
なった今、次回はあの型をあの色でと、
早くも予習に余念がありません。
Aug 26, 2013
Taipei 01
関西空港7時発のピーチ航空。
ご来光を拝んでから徒歩にて搭乗、
現地時間9
時前には
桃園空港に
到着していた。
8月の台北は晴れていたかと思えば
突然暗雲が立ち込め、ひとしきり強く
降った後また晴れるというせわしない
空模様。
湿度は高かったが酷暑の日本よりも
気温は低く、
おかげで雨宿りを理由に
バラエティに富んだ軽食を食べ歩くこを
存分に
楽しめた。
その一部をここに。
有名店
鼎泰豊の
小籠包
行列必至
豊盛食堂にて鶏肉のロースト&野菜の炒め物
(画像は無いが、 煎板條という春巻も美味)
蜀辣の海鮮火鍋
莫名福州乾拌麵の
乾伴麺
上にのっているのはラー油
葱油伴飯も絶品
振り返って画像を見ると気持ちが先走って
記録していないものも多い。
台北を再訪する良い理由が早速出来てしまいました。
Jul 30, 2013
tiny 10
夏。
何をしていても、
何もしなくても
この暑さからは逃れられそうにもないので、
眼にてしばしの避暑を。
金魚の姿をした陶器製の浮き玉。
水に浮かべると、ぷかりぷかりと
風に身を任せる。
美しい模様が描かれた胴体と
トボけた表情のアンバランスさも
どこか力が抜けていて涼しげである。
毎年狭い睡蓮鉢で申し訳ないのですが、
夏空の下、水面を漂うその姿を
眺めつつビールをいただくと、
少しだけ暑さを忘れる事が出来るのです。
Jul 12, 2013
On the Road
ジャケ買い、ならぬ文字買い。
文字の線幅やカーブが少し変化するだけで
言葉のイメージを大きく
変えてしまう
フォントデザインやタイポグラフィの世界は
奥が深く
てとてもとても面白い。
『A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS』の作品は、
主宰する
ステファン・
ケニー氏
が収集してきた
1800年代
から
1900年代の
ヴィンテー
ジ・ウッドタイプを
それぞれ組合せて配置し、それを
旧型のプレス機で
印刷したもので、
ウッドタイプの雰囲気と選ばれた
言
葉たちのバランスがとても心地よい。
たまたま遭遇した個展で一番印象的だったのが、
ジャ
ック・
ケルアックの小説『On the Road』の一文。
それぞれのフォントと
余白のバランス、
(
『☞』
の絶妙な配置!)
ウッドタイプならではの不均一な質感が
アメ
リカ大陸を転々とする
物語と共鳴して
いるような気がして、部屋で眺めていると
何処かへ誘う標識のようにも見える。
この一文の続きは
“There was nowhere
to go but everywhere,
so just keep on rolling under the stars.”
(Jack Kerouac, On the Road, 1957)
久しぶりに小説を引っ張り出して、
しばし大陸横断の旅に出かけたいと思います。
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