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May 6, 2014
Urushi
ずらりと並んだ消漆の酒器。
華やかさに腰がひけてあまり縁のない漆器だが、
「ピン」ときたものは連れて帰ることにしている。
今回連れ帰ったものはシャープなかたちなのに
漆によってとろっと丸みを帯びている所が魅力で
何層にも塗り重ねられた黒色には奥行きがある。
注がれたものの温度を柔らかく伝えてくれるのは
木と漆ならではの感触。
まさに
撫でて良し、眺めて良し、飲んでさらに良し、
である。
ただし少し傾けるだけでスルりとお酒が入ってくるので、
少々キケンなうつわでもあるのです…。
Apr 12, 2014
sailor collar
セーラー襟が流行っている。
とても個人的に。
突然セーラー襟が気になりイギリス海軍の
ウールのジャケットを購
入したのは冬の終わりのこと。
すると数日後、
異国の地に住む友人も
フランス海軍のリネンのセーラーシャツを購
入したという。
類は友を呼び、セーラー襟も友を呼ぶらしい。
早速同じものをお願いして送ってもらう。
というわけでここに並びし2枚のセーラー襟。
イギリス海軍にはしばしの休暇を、
フランス海軍にはこれから活躍してもらう予定。
甲板で襟を立てて音を集める為のかたちだそうだが、
「人の話をちゃんと聞くように」
と
誰かに言われているような気がして仕方ありません。
Mar 30, 2014
Stitch
縫い目を辿るのは楽しい。
布を継ぐ際に必要に迫られ
糸が作る不思議なかたちがある。
真っ直ぐに迷いなく縫われたもの、
穴を埋めるために丸く進むもの、
星のようなかたちに見えるもの。
ひと針ひと針の足跡をたどるのは
地図で道を追うのにも似ている。
縫い目から見える人柄や暮らしを想像すると、
布への愛着もより一層深くなるのです。
Mar 1, 2014
PORTE DES LILAS
安野光雅さんの絵本
フランス映画「リラの門」
の一場面が
モデルとして描かれている
どこかの国のある日の「
蚤の市」
ガンベルトや風見鶏という珍しいものもあれば、
古書や大工道具などの生活道具、
日本の大福帳やだるまを扱っているお店もあり、
どれもこれも魅力的である。
陳列されている品々は実際の市で見る
形や種類のものばかりで、
安野さん自身あちこちの蚤の市や骨董市に
足繁く通ったに違いない
。
また描かれる人々の様子も愉快で、
店先で思案する人、
店主と値段交渉をする人、
お酒を楽しむ人々、
腹話術に夢中になる子ども、
それに混じって名画や物語の主役までもいて、
そちらを見るのにも忙しい。
登場人物に紛れて一つ一つのお店や人を
観察していたら、いつの間にか時間は過ぎ、
読み終わる頃には本物の蚤の市をぐるりと
ひと周りしたような達成感
が味わ
えるのです。
Feb 11, 2014
Ladybear
困っている。
買い替えるつもりだった
LADYBEARが廃番になっていた。
それはとても困る。
十数年前、見たことのない赤の色に目を奪われ、
初めて手に入れた marimekko である。
デザインはもちろん、
物量に関わらずおさまりが良いので
季節や服装を問わず、
普段から身軽な旅行までも
これで済ませてきた。
おかげですっかり貫禄のある表情になり、
そろそろ隠居生活をと考えていた矢先の
悲しいお知らせ。
ものすごく困る。
ひとまず引退は撤回。
もう少しよろしくと、
ブラッシング
させていただきました。
Jan 26, 2014
Canvas and Leather
レザーシューズだと堅苦しくて、
スニーカーだとくだけすぎる。
適度な靴はないかと思っていた頭の中を
こっそりのぞいたんじゃないかと思わせる靴。
1950年代のドイツ軍のもので、
今ではすっかり定番となっている
ジャーマントレーナーの前身に
あ
たるものなのだそう。
キャンバスのなんともいえない赤茶けた色が
野暮ったく見えて、
それがまた魅力でもある。
じっくり眺めると底付けの仕様等は
当時の靴作りを見るようでおもしろいが、
さすがに60年前のソール、
返りは決して良いとは言い難く、
馴染むまでにはなかなか時間がかかりそうである。
心地よい靴に慣れてゆるんだ足元には
少々我慢と忍耐が必要になりそうだが、
足の運びに緊張を覚えつつ、
60年前に思いをはせて歩くのも
悪くはないと思う今日この頃です
。
Jan 5, 2014
Blue & White
我が家のあれこれで最も多い柄は縞である。
縦にしろ横にしろ縞柄にはついつい引き寄せられ、
またあちらも好みをご存知のようで
自然と手元に集まってくる。
この縞柄の布は、
その跡も見られるように
細く畳んで祭りや神事に使用されていたそ
うで、
浅黄幕と同じ意味合いのものだと思われる。
浅葱色と白の潔い配色であるが、
所々でかすれてたり、色が滲んでいたりして
人の手を感じることができる。
清々しくて温もりのあるこの布、
1年の始まりに相応しいと思うのです。
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