京都大学の近く、静かな住宅街に
ひっそりと佇んでいる重森三玲庭園美術館。
(重森三玲旧宅)
寛政元年頃に建てられたという邸宅には
重森三玲が自ら設計した庭や茶室が増築され、
それらが時を越えてとても美しく融合している。
書院前の庭(1970年作)には徳島の青石が
多く用いられているそうで、光や空気の具合で
青の濃淡が変化し、その移り変わりを
イサム・ノグチがデザインした灯りが見守っている。
この庭園には枯山水式では珍しく桜が植えられていたり、
石を寝かすのではなく、立て石を多く配置していたりと、
いわゆる枯山水とは全く異なる印象と力強さ。
三玲という名も画家のミレーから取って改名したとか。
創作も人物も型にはまっていない所がとても面白い。
奥にある茶室・好刻庵(1969年作)は重森三玲自身が設計し、
中の照明や襖の引手までもデザインしたもの。
大胆な市松と波の襖。
敷石にも波の意匠
水屋の意匠
関守石
茶道の作法で「これより中に入ることは遠慮されたし」
の意味だそう。
当日は快晴と通り雨が交互に訪れた日。
2通りの表情を1日で見られた幸運な日となりました。