Babaghuri
ババグ
展示会ではこれらの美しい石がショーケースに並べられ、
石を前に来場者それぞれがファーブルよろしく頭を上げ下げしなが ら
眼をこらして見る様子はなんとも楽しくて、今も鮮明に覚えている
展示会の一つである。
この本に寄せられたヨーガン・レール氏の一文がとても好きで、
ヨーガン・レール著 Babaghuriより抜粋
「これまで私は石を見つけ、 石を愛でるために様々な場所を訪れてきた。 だがどの場所も石もラタンプールとは比べものにならない。 とは言えすべての場所がそれぞれ異なっており、 どこへ行っても新たな種類の美に出会う歓びで有頂天になる。 もっとも、その度に穏やかならぬ思い、 自分を卑下したくなる思いが私の胸をよぎる。 その思いとは どうすれば新たなものが創造できるというのか、 どうやってデッサンしたりデザインすればいいのか、 私たちが何をしようが、 いたるところの天然自然の中に存在する完璧さと美しさにはかない っこないのに。
ヨーガン・レール」
その厳しくも真摯な姿勢をずっと忘れずにいたいと思います。