Apr 6, 2015

Dressing Right?

先日見かけた雑誌広告の文言『DRESSING RIGHT』を見て、
本棚をゴソゴソと。


こちらの『DRESSING RIGHT』は1978年にアメリカで発刊された
メンズファッションの指南本。

表紙を飾る男性は見事に全アイテムが柄物で、
これは本当にRightなのか?
と初めて手にした時の衝撃は忘れられない。

その中身はというと、スーツにおけるスタイルの基礎から
カジュアル(水着もあり!)までしっかりと伝統的な部分は
おさえつつ、表紙のスタイリングが示すようにやや過剰にも見える
「外した」スタイルや「崩した」着方を大いに提案するという、
いわゆる一般的な指南本とは一線を画した名著である。

クレジットにはOscar de La Renta, Brooks Brothers,
Alan Flusser等、当時を代表するブランドが名を連ね、
写真家もBRUCE WEBER, HERB RITTS等、錚々たる顔ぶれ。
(表紙はBRUCE WEBER)



STRIKING OUTと題されたページのトップには
スーツとADIDASのスーパースターの組み合わせが!
(ちなみにスーパースターは1970年に販売開始)
今では見慣れたスタイリングも1978年当時は斬新に見えたに違いない。



デニムインしたラコステのポロにニットタイの組み合わせは、
この本を購入した当時(1998年頃)に最も衝撃を受けたスタイリング。
服に対してとても自由にしてくれた1枚。



こちらは見た瞬間にBRUCE WEBERと分かる素敵なカット。
古さだとか新しさだとかを越えたところにあるもの。


著者のCHARLES HIX氏曰く
正しい着こなしとは自分自身のパーソナリティを尊重すること
だそうだ。

1978年以降、トレンドが何周したのか分からないけれど、
37年前も今も大切な部分は変わらないと教えてくれています。



Mar 15, 2015

Sunny-Side Up

アメリカ映画でよく見かけるダイナー。

その場面はありふれた日常のひとコマであることが多く、
湯気の立つコーヒーが乱暴に注がれ、皿やカトラリーが
騒がしく音を立てるようなイメージがある。

そんなダイナーに登場しそうな潔く白い皿。



そう思って手を伸ばすと、説明文に「marimekko」 の文字が・・・。
訝りながら裏を覗くとそこには微かにmarimekkoの見慣れたロゴと
PFALTZGRAFF USAの刻印が確認できる。



ジャクリーンケネディがmarimekkoのワンピースを着用し
話題となったのが1960年。
それを機にアメリカでもmarimekkoの名が広く知られるようになり、
80年代にPFALTZGRAFF社と協業していた当時のものと思われる。
が、何かしらの理由or問題があり肝心のプリントは施されることなく
デットストックとなり、はるばる我が家にやってきた。

かつて「EMILIO PUCCIなのに真っ白なサファリコート」
というものを買うべきか思い悩んだことがある。
結局サイズが大きくて断念したが、こういった類の出会いには
めっぽう弱いのは今も変わらないらしい。


それにしてもこの手の白い皿には目玉焼きがとても似合う。
潰れた黄身のだらしなく残った跡やパンくずの散らかった様が
やたら似合うと思うのです。



Mar 1, 2015

tiny 11

密かに集めているマッチ箱

小さな宇宙にも様々な意匠があり、
これが集めてみると奥が深い。

今回はスウェーデンのものを。



左の本型のタイプは皆さん表紙を開けてみようと試みたのだろう、
エッジの部分がやたら毛羽立っているのを見つけて
考えることは世界共通、と感じる。
ちなみにこのマッチ箱は1953年のストックホルム市700年祭のもので
表紙〜背表紙はスチール、周りに革を被せるという手の込んだもの。

完全にジャケ買いであったマークが印象的な右奥のものは
調べてみるとストックホルムに今もある素敵な Hotel Foresta 
のものということが判明。
しかしながら今はこのマークは使われていない様子・・・残念。

紫の頭薬が美しい右手前のものはスカンセン野外博物館に今もある
レストラン SOLLIDEN のもので、描かれたイラストのさらり感と
裏面の SOLSTICKAN の有名なイラストとのコントラストが面白い。


マッチ箱は広告的役割のものが大半で、インパクト優先のデザインで
情報量も限られる。
それら少ないキーワードを調べながら当時の様子を思い浮かべるのも
マッチ箱収集の楽しみである。




こちら我が家の定番品。
マッチ箱にしておくのは勿体無いぐらいのインパクトです。



Feb 8, 2015

Mockingbird

「アラバマ物語」(原題:To Kill a Mockingbird)の著者
ハーパー・リーが55年ぶりの新作を今年出版するという
嬉しい報せを耳にする。
「アラバマ物語」といえば個人的には映画への思入れが
強い作品でもある

物語の素晴らしさは言うまでもないが、この作品を何度も
観てしまう理由に素晴らしいオープニングタイトル
見たいからというのも多分にある。

子どもたちの視点から描かれるこの物語のオープニングは
少年の宝箱を開くところから始まる。

壊れた懐中時計、コイン、ビー玉、ホイッスル等の一見ガラクタ、
けれども彼等にとってはとても大切な品々たちが美しい音楽と
計算されたクレジットと共に映し出されるシーンは何度見ても
息をのんでしまう。

そして似たような宝箱を未だに持つ身としては、我が家の品々も
取り出して眺めてみたくなるというもの。



まさに一見ガラクタであるこの品は
NIKKA WHISKY の BLACK NIKKA のボトル。
目を凝らしてみるとあのヒゲのおじさん
「キング・オブ・ブレンダーズ」氏が微かに確認できる。
ボトルの色で調べるとレアオールドというシリーズが
あったようで、このラベルにも「RARE」の文字が。

WHISKYに関しては摂取する以外の知識は全く持っておらず、
これに関してもラベルの廃れ具合がとても気に入って
手にしたので、後になってNIKKAのものだと気づく。

誰かにとってはただの古びたボトルではあるが、このシルエット、
ラベルの大きさや破れ具合、かすれ具合、キャップの雰囲気、
どれを取っても個人的には完璧なボトルなのであります。


ちなみにこのアラバマ物語には幼き頃の
トルーマン・カポーティをモデルとした登場人物が
いるのも見所。

新作(続編という噂!)を首を長くして待つことにします。


Jan 26, 2015

Dunk

北欧の生地や家具に色鮮やかなものや柄物が多いのは
白く長い冬に色や柄が恋しくなる、と聞いてとても
腑に落ちたのはもうずいぶん前のこと。

北欧とは違う意味だが目を引くような色柄が
殊の外好まれる地域で生まれ育ったので、
一気に北欧が身近に感じられたものだ。

こちらはあちらのような白い冬ではないが、
この冬は色鮮やかな(単に派手とも言います)
足元となる機会が多い。



NIKE ID DUNK HI
カスタマイズしたものをオーダーできるようになったと
聞いてすぐさまオーダーした思い出の品。
PCの前でああでもない、こうでもないと騒ぎながら
楽しんで作ったものだ。

最近友人がAF-1をカスタマイズすると聞き、久しぶりに
サイトを見てみると種類の何と多いこと!!

これはキケン、とてもキケンである。


そう言いながら、今日もそっとサイトを覗いているのです。


Jan 12, 2015

three birds

新年のご挨拶に引き続き、日本の鳥を3羽。



どれも九州の郷土玩具
せっかくなのでひとつずつご紹介。


まずは黒色が印象的な肥後梟笛
最初見たときは黒猫と思い込んでいた・・・失礼

後頭部に空いている穴に息を吹き込み音が出る
(鳩笛等と同じ)仕組みで、阿蘇山周辺に多く
生息する梟を模したもの。
土のひんやりとした手触りところんとした形が
なんとも愛嬌がある。


続いて雉子馬
九州のいくつかの地域で生産されているそうだが
これは熊本の人吉のもの
鋭い目に荒削りな造形がいかにも速そうに見える。



最後に宮崎のうずら車
横顔の飄々としたところや
ぼってりとした姿形が魅力的。
雉子車とは違い引っ張るというより
押して動かす仕様と思われる。


三者三様ならぬ三羽三様。
なかなか良いトリオだと思います。



Jan 1, 2015