Jun 11, 2012

tiny 05,06,07

小物を数点。


メキシコの笛。
ちゃんと音が出ます。
鳥であろうと思われるぐらいの姿がよろしい。





三人形(みつにんぎょう)の蓋置。
茶道等で使われるもので、三人の唐子のうち
一人だけ上着を着てるのが正面になるそう。


この人だけ様子が異なるので、こちらが表(正面)。




喜怒哀楽の置物、真鍮製。
ペーパーウエイトにちょうど良い大きさ。


「喜」と


「楽」

これに正面なるものはありませんが、
知らず知らずこの2面どちらかが
こちらに向いていることが多いのです。


笑門来福。

May 27, 2012

in season

うまく説明できないけれど、自分の中だけの「旬」。

毎年着ているユニフォームの様なストライプのシャツも
ボーダーのカットソーも、毎年同じようで同じではない。
手に取る色も、合わせるものも微妙に変わる。

とはいえ、自分の中だけのごくごくわずかな変化で、
一見いつものストライプであり、いつものボーダー。


そんな「旬」と相容れず、しばらく着用する機会が無かった
EMILIO PUCCIのコットンパンツ。


購入したのは10年以上前。
今のように有名デザイナーがデザインを担当する以前の
ものなので、インパクトのあるパターンとは裏腹に
シルエットはいたってクラッシック。
一番好きな時代のものである。
少し野暮ったいハイウエストもテーパードの具合も、
時流がひとまわりして今の気分となる。


柄の様子はこちら。
白・茶・黒・グレーをベースとしたパターン。
曲線と直線のバランスがとても美しい。


同じ服でも時間が経つとまた新しい側面が見えてくる。

そして何よりも購入した当時とは自分自身の服との距離感や
感覚が異なるので、まるで新しい服の様に向き合えるのが
一番おもしろい。



EMILIO PUCCIと言えば1970年に開催された大阪万博の
イタリア館のコンパニオンの制服もデザインしている。
万博公園にあるEXPO'70パビリオンで見つけた当時の様子。


立ち姿も制服のインパクトに負けていません。



May 12, 2012

1st and 13th.

先日、目の隅に引っ掛かったもの。
江戸時代の安南写し。



絵柄と地色のコントラストと、
釉薬と素地のコントラスト。
その具合が面白い。



釉薬が掛りきっていない所は
その部分だけ別の空間。



そして絵柄。


鹿と




鼠と言えば十二支の競争で1番乗りした「子」。
対して鹿は13番目だった為、十二支に入る事が
できなかったとか・・・。
何を意図として鹿と鼠の絵柄なのか真相は不明だが、
そんな2匹が一緒に描かれているのも楽しい。

この鉢の中ではさえない表情に見える鼠に対し、
鹿は晴れやかな立ち姿(に見える)。
と、物語を勝手に考えるのも楽しみの一つなのです。

Apr 30, 2012

Japanese patterns



美しい書籍をひとつ。


1968年に淡交社より出版された
「日本の文様 花鳥風月」。



A4よりも少し大きいサイズで、
花鳥3巻、風月1巻の全4巻。

函の外側と4巻それぞれのカバーにも
紋章がデザインされており、立ち姿が
すでに美しい。


内容は、かぶとから着物、焼物、欄間
に至るまで、それぞれの文様が種類ごとに
分類され写真とともに解説されている。


内容そのものだけでもとても興味深いが、
この書籍をさらに際立たせているのが
田中一光によるレイアウト。


日輪と雲文様のかぶと、日・月文様の軍配団扇


あきくさに虫文様、ハギに鹿文様のつば


松のかすり織、若松に鶴文様の匹田絞り


ブドウ文様の能衣装、伊万里焼壷


と、どのページも開くたびに
絵画を見るような美しさと迫力。
写真ページだけでなく、
解説ページの文字色に至るまで
細やかに気を配り、作られている所が
素晴らしい。


日本古来の文様もあれば、外国から伝わり
変化を遂げた文様もある。


そう思って周りを見ると、日々の暮らしには
柄や文様は溢れていて、そのルーツや意味に
思いを巡らせれば、いとおしさも増えていきます。



Apr 17, 2012

border



新しい季節は縞模様と共にやってくる。

縞模様を入れ替える頃に季節は変わり、
季節が変わる頃に縞模様を入れ替える。



という事で、春の横縞。

フィンランドとフランスの横縞。



縞模様は奥が深い。
2色使い、多色使い、縞の間隔が異なるもの。
色や幅が変わるだけでがらりと変わる。



日本の横縞はストールとなり。




北欧の横縞は袋になる。




時に沖縄の陶器にもあらわれ。






そして、うつわの縁をも飾る。




同じ縞でも横縞を縦に見るとどこか居心地が悪い。

横には横の、縦には縦のおさまりがあるのが
とても面白いと思うのです。





Apr 7, 2012

between winter and spring

前回の投稿、重森三玲庭園美術館を訪れた日。
この日、暦では既に春であるにも関わらず寒い日だった。


そんな「冬と春の間」のような日に偶然に見つけたもの。
あまりにもその日にぴったりで縁を感じずにはいられず、
持ちかえる事に。





100年ぐらい前の中国のものとの事。

きっとこれが"winter"や"spring"のように
いくつかの文字で構成されていたら全く趣も
異なっていただろう。
ひとつの文字で多くを表す漢字の奥深さ。

よりしっかりとした頼もしい後ろ姿は
「冬」のほう。
「春」は季節同様、ゆるやかな姿。


いつの日か「夏」と「秋」に出会える事が
今から楽しみなのです。



Mar 31, 2012

Mirei Shigemori


京都大学の近く、静かな住宅街に
ひっそりと佇んでいる重森三玲庭園美術館。
(重森三玲旧宅)

寛政元年頃に建てられたという邸宅には
重森三玲が自ら設計した庭や茶室が増築され、
それらが時を越えてとても美しく融合している。


書院前の庭(1970年作)には徳島の青石が
多く用いられているそうで、光や空気の具合で
青の濃淡が変化し、その移り変わりを
イサム・ノグチがデザインした灯りが見守っている。





この庭園には枯山水式では珍しく桜が植えられていたり、
石を寝かすのではなく、立て石を多く配置していたりと、
いわゆる枯山水とは全く異なる印象と力強さ。

三玲という名も画家のミレーから取って改名したとか。
創作も人物も型にはまっていない所がとても面白い。




奥にある茶室・好刻庵(1969年作)は重森三玲自身が設計し、
中の照明や襖の引手までもデザインしたもの。
大胆な市松と波の襖。


敷石にも波の意匠

水屋の意匠



関守石
茶道の作法で「これより中に入ることは遠慮されたし」
の意味だそう。

当日は快晴と通り雨が交互に訪れた日。
2通りの表情を1日で見られた幸運な日となりました。